2020年2月3日月曜日

冊子「文化財の壺」

webで3Dモデルについて検索していた時、偶然「文化財の壺」という冊子を知りました。興味深いkeywordが目次にならんでいたので、取り扱い社である岩田書院から通販で4~7号を入手しました。
まず目に飛び込んだGigaMeshによる土器展開写真作成紹介記事を通して「即日」GigaMeshをダウンロードして、数時間後にはそれを使えるようになったことはすでに記事に書きました。
ブログ花見川流域を歩く2020.01.30記事「GigaMeshによる縄文土器展開写真の効率的作成
それ以降自分の縄文土器学習記事には必ず土器展開写真を掲載するようになりました。
最新技術を紹介していただいた論説筆者と「文化財の壺」(発行者:文化財方法論研究会)に感謝します。

この論説以外にも「文化財の壺」には興味深い論説が満載です。しばしキーボードから手を離して全部読みましたので、その感想をメモします。

入手した「文化財の壺」

感想
・「文化財の壺」は考古学分野における3次元計測技術という極狭領域のシリーズ冊子(学術誌?)であり、この冊子をたまたま知ったことは自分にとってラッキーなことでした。考古学専門分野とか3次元計測技術とかに縁遠い一般学習者としての自分にとっては世の中の状況がよくわかります。
・全頁カラー印刷で、興味や好奇心をそそる図版や写真が多く、見ているだけで楽しくなります。
・自分が興味を深めているSfM/MVS関連技術紹介が多く、実務作業レベルで参考になります。

・考古学分野の方々の3次元計測技術に関する興味が、次の点を指向していると理解できました。
ア 見える化、可視化、視認性向上
風化しているもの、小さくて見過ごされてきたもの、洞など立体形状を表現しずらいものなど、これまでの技術では観察分析が十分でなかった分野に3次元計測技術を応用して見える化しようとする動きが感じられます。
イ 作業の効率化
既存技術では作業がはかどらない領域の作業効率化を3次元計測記述でカバーして、効率化を図ろうという動きが感じられます。
ウ 記録の新しいスタイル
文化財(遺物)の新しい記録スタイルとして、既存記録スタイルに加える形で3Dモデル等を活用しようという動きが感じられます。

・一方自分から見ると次のような視点の論説がなかった、あるいは少なかったので、今後に期待したいと思います。
ア 3Dモデルのデータベース化(狭い研究者間の情報共有ではなく、広い社会的な意味での情報共有)
イ 普及説明領域、学習領域、展示サービス領域における三次元計測、SfM/MVS関連技術の活用
ウ 3次元情報の効率的・効果的2次元情報化技術(3次元情報の的確な説明資料化技術)(GigaMeshの紹介は3次元情報の2次元化技術としてとても参考になりました。)

冒頭書いたように「文化財の壺」を通じてGigaMeshというソフトとサイト(考古分野における3次元計測技術研究集団サイト)を知りました。

GigaMeshサイトをchrome画面でクリックして「日本語に翻訳(T)」して楽しんでいます。

GigaMeshサイトメイン画面

GigaMeshサイトメイン画面の好奇心を刺激する図版


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