2022年5月7日土曜日

ツタンカーメン王の黄金の玉座

 TV番組「ツタンカーメン」学習 2

(2022.05.04放送のNHKBS番組「英雄たちの選択スペシャル ツタンカーメン 秘宝に隠された真実」を材料に学習シリーズ記事を書いています。)


King Tutankhamun's Golden Throne


Looking back on the actual viewing of the Tutankhamen Golden Throne, I enjoyed the stamp design and observed it in detail with detailed photograph.


番組ではツタンカーメン王墓から出土した幾つかの秘宝が紹介されましたが、その内の1つが黄金の玉座です。


番組画面 ツタンカーメン王の黄金の玉座

2018年2月1日にエジプト考古学博物館でこの現物を観覧しました。


ツタンカーメン王の黄金の玉座

黄金の玉座は観覧者で混雑していて、撮影環境は劣悪でした。しかし現物を自分の眼で見たという体験は今となっては自分にとっては大変貴重なものです。もしもう一度エジプトに出かけることができれば大エジプト博物館でこの玉座をもう少しじっくり観覧して、よりましな写真を撮影したいものです。チャンスがあれば3Dモデル作成用撮影もチャレンジしたいものです。

この黄金の玉座は収集した考古学切手の中に2点ありました。


エジプト(アラブ連合)ユネスコ発行切手 1967年

使用済み切手という単なる古い紙片です。しかし、この古い紙片を所有することによって黄金の玉座という考古情報と自分が少しだけつながりが持てたという気持ちになるので不思議です。玉座背の黄金と宝石で描かれた王と王妃の絵が図案になっています。図案切り出し窓はツタンカーメン黄金のマスク正面形状をデフォルメして模しているようです。切手全体の金色(印刷は黄色)とブルーの色調対比も、黄金のマスク頭巾の色調対比を模しているようです。


エジプト切手 1997年 発掘75周年記念

目打ちがない切手です。

図書「TUTANKHAMEN」(BONECHI)にはこの黄金の玉座の精細な写真が掲載されています。


黄金の玉座の絵画 「TUTANKHAMEN」(BONECHI)から引用

ツタンカーメン王が玉座に座り、王妃アンケセナーメンが王に香油を塗っている情景です。頭上には円盤と光線で表現される太陽神アテンが描かれていて、光線の末端は全て小さな手となり、王と王妃に生きる力を与えています。一足のサンダルの片方を王が左足に、王妃が右足に履いていて、仲睦まじい姿が信じがたいほどであるという表現になっています。

番組では司会者と出演者の間の会話で「王が満足した状態であることを視覚化することによって民衆も安心した。」旨の出土物全体に対する意義が述べられていました。

なお、太陽神アテンはツタンカーメンの父親である前王アクエンアテンが宗教改革で唯一神にしたものです。唯一神に指定することによってアクエンアテンは多神教神官から恨みを買い、アクエンアテン死後は再び多神教に戻りました。この玉座には太陽神アテンが描かれているのでまだアクエンアテンの影響が残っている時期につくられたようです。


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