2019年1月11日金曜日

土器はいつから? 2

「縄文はいつから!?」(小林謙一/工藤雄一郎/国立歴史民俗博物館編、新泉社) 15 (シリーズ最終回)

「縄文はいつから!?」(小林謙一/工藤雄一郎/国立歴史民俗博物館編、新泉社)に収録されている「追補 土器はいつから? 列島最古段階の土器の年代は決まったのか? 工藤雄一郎」を学習して、気が付いたことや感想をメモします。

1 土器はいつから? 列島最古段階の土器の年代は決まったのか? 工藤雄一郎 概要
・炭素14年代測定法の考古学における適用の歴史を詳しく解説しています。
・大平山元Ⅰ遺跡出土土器(同一個体と考えられる)に付着する炭化物5点の測定結果をIntCal04とIntCal09の較正曲線を使って年代を検討し、IntCal04よりIntCal09の方が年代が古く出るが、同時に確立分布の幅が広くなってしまい、正確な年代を絞り込むことがきわめて難しくなったことが述べられています。

大平山元Ⅰ遺跡の炭素14年代と較正年代の比較

2 メモ
・WEBを閲覧するとすでにIntCal13が発表されていますので、C14年代測定で13000年前頃のIntCal09とIntCal13の較正曲線を拾って比較できるようにしてみました。

IntCal09の較正曲線

IntCal13の較正曲線

・IntCal13の較正曲線はIntCal09に存在していたC14測定13000年前頃の中だるみが少なくなり、大平山元Ⅰ遺跡のデータを当てはめると確率分布は再び狭くなり、より正確な較正年代が得られるようになったようです。

0 件のコメント:

コメントを投稿