ジャレド・ダイアモンド著「銃・病原菌・鉄」 11
ジャレド・ダイアモンド著「銃・病原菌・鉄」の学習をページを追ってしています。この記事では「第8章 リンゴのせいか、インディアンのせいか」を学習します。この章は作物を育てるのに適した場所であるにもかかわらず、農業がまったく自発的に起こらなかった地域が地球上に存在するという事実について考察しています。列島-縄文人もその範疇にはいるわけですから、この考察は縄文学習に重要です。
1 人間の問題なのか、植物の問題なのか
地球的規模でみるとカリフォルニア、ヨーロッパ、オーストラリア大陸の温帯地域、そしてアフリカ大陸の赤道付近には、農耕に適した肥沃な土地が昔から広がっている。それなのになぜ、これらの地域では農業が自然発生的にはじまらなかったのか、また、地域によって農業のはじまった時期に時間差があるのはなぜだろうかという問題を検討し、この章で結論を導いています。
詳し検討は本文を読んでいただくことにして、その結論を要約すると次のようになります。
・どの地域に住んでいた人類も自然を詳しく観察しいて有用植物を利用する能力にたけていた。地域別にみて人類の観察力や応用能力の差はない。
・有用植物や有用動物の資源偏在が地球上にある。
・肥沃三日月地帯における有用植物資源、有用動物資源の多様性は目を見張るものがある。
大きな種子を持つイネ科植物の分布
ジャレド・ダイアモンド著「銃・病原菌・鉄」から引用
肥沃三日月地帯
(トルコにまで領域が広がっていることには発掘面における特別の理由があるにちがいないので、興味が湧きます。)
・栽培化時期の地域差は生物相全体において栽培化や家畜化が可能な動植物の種類がどれだけ限られているかということに起因する。
2 感想
ジャレド・ダイアモンドの説明は説得的であり、縄文人も千年単位の猶予をもらえれば列島で自発的食料生産を始めていたかもしれない感じました。
縄文人は定住して土地の管理を相当綿密にしていたのですから、主食以外の植物で栽培といっていいものも存在していたでしょうから、自発的食料生産の直前まで到達していたと考えます。ドングリを主食にしたのがボタンのかけ間違いだったようです。
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