2021年3月10日水曜日

笑う盾持人埴輪

 設楽博己著「顔の考古学 異形の精神史」(2021、吉川弘文館)学習 3

設楽博己著「顔の考古学 異形の精神史」(2021、吉川弘文館)の「方相氏と「鬼は外」の起源」で、弥生時代に紀元前漢帝国からもたらされた辟邪(へきじゃ)[邪悪なものを退散させる想像上の動物]としての方相氏について学習しました。その事例の一つとして笑う盾持人埴輪が説明されています。笑う盾持人埴輪の写真が印象に残り、濃い感想が生まれましたのでメモします。


盾持人埴輪

設楽博己著「顔の考古学 異形の精神史」(2021、吉川弘文館)から引用

図書では、盾をかざした威嚇表現なのに笑っている理由を、天鈿女(あまのうずめ)が笑いで猿田彦の眼力に立ち向かった神話を引き合いに出す、辟邪説で説明しています。

笑いに辟邪の意味があるとすれば、その笑いは攻撃的、破壊的であり、相手に恐怖心を与え、相手の闘争心を萎えさせるものです。

盾持人埴輪は、相手(邪悪で強力な侵入者)よりも、それに立ち向かう自らの方がはるかに武力、知力、気力が優っていて、その自らの圧倒的優越性を相手心理に直接知らせるための手段として笑いを使っているのだと思います。

実際に戦えば相手を確実に圧倒殲滅できることを確信しているので、その確信に一点のくもりもないので、その自らの意識を笑いという手段で相手に直接提示したのだと思います。笑いの本質の一つに相手に対する優位性表現があることは万人が理解しています。

盾持人埴輪は実闘争の前に心理戦、情報戦で勝利している様子を表現していると考えます。

古墳社会における闘争において心理戦、情報戦が行われていた様子をこの盾持人埴輪は伝えていると考えます。


0 件のコメント:

コメントを投稿