2018年9月21日金曜日

地形の変遷からみた遺跡立地

「縄文はいつから!?」(小林謙一/工藤雄一郎/国立歴史民俗博物館編、新泉社) 6

「縄文はいつから!?」(小林謙一/工藤雄一郎/国立歴史民俗博物館編、新泉社)に収録されている「地形の変遷からみた遺跡立地 橋本真紀夫」を学習して、気が付いたことや要点の抜き書きなど、メモを作成します。

1 縄文時代草創期ころの東京湾の地形


東京湾の地質断面図 「縄文はいつから!?」(小林謙一/工藤雄一郎/国立歴史民俗博物館編、新泉社)から引用
7号地層は最寒冷期から縄文のはじまりころの間の堆積物で、段丘礫層やローム層の堆積地形は旧石器時代の陸域であると考えられる。

縄文時代草創期ころの地形 「縄文はいつから!?」(小林謙一/工藤雄一郎/国立歴史民俗博物館編、新泉社)
縄文時代草創期はじめころ(15000年くらい前)の海水準は約-80mで、東京湾には狭い「古東京湾」とそれに流入する川があり、縄文人がすめる環境があった。縄文時代草創期終わりころのなると亜氷期とよばれる寒冷な時期があり低海水準はまだ維持され-80m~-50mであり、上流からの堆積物で陸域が広がったと考えられる。

2 縄文時代草創期頃の谷津地形

縄文時代の地形
15000年前くらいの降灰年代をもつUG火山灰を指標にする方法により、杉並区方南付近の遺跡調査で縄文時代草創期頃の地表面を復元すると現在地形に埋没した当時の地表面と急斜面が観察できる。

3 感想
発掘現場における火山灰を指標とする精細な露頭観察と周辺ボーリングデータから縄文時代地形面の復元方法が述べられていてとても参考になります。
旧石器時代あるいは縄文時代草創期頃の埋没地形面復元には強い興味を持っていますのでいつか詳しく検討してみたいと考えています。
参考 旧石器時代地形面のイメージ的復元に関する記事
ブログ花見川流域を歩く2014.08.23記事「旧石器時代の谷津形状の検討
ブログ花見川流域を歩く2014.09.04記事「旧石器遺跡分布から推定する狩方法

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