2018年9月4日火曜日

弓矢のはじまり

「縄文はいつから!?」(小林謙一/工藤雄一郎/国立歴史民俗博物館編、新泉社) 1

「縄文はいつから!?」(小林謙一/工藤雄一郎/国立歴史民俗博物館編、新泉社)の学習を始めます。目次に沿って気が付いたことや要点の抜き書きやメモ作成をします。

1 目次
 フォーラムの開催のあたって 小林謙一
Ⅰ 縄文時代のはじまり
 弓矢のはじまり 小畑弘己
 土器のはじまり 宮尾亨
 定住化のはじまり 小林 謙一
Ⅱ 地球環境の変動と縄文文化のかかわり
 縄文時代のはじまりのころの気候変化と文化変化 工藤 雄一郎
 植物相からみた縄文時代のはじまり 鈴木三男
 地形の変遷からみた遺跡立地 橋本真紀夫
Ⅲ 縄文時代草創期の遺跡と生活
 東北地方の縄文時代草創期の様相 酒井宗孝
 関東南西部の縄文時代草創期の様相 安藤広道
Ⅳ 討論-縄文時代のはじまりをどうとらえるか
おわりに 工藤 雄一郎
 炭素14年代測定および古環境研究の進展と「縄文はいつから!?」
追補 土器はいつから?-土器出現とその年代
 日本列島における出現期の土器の様相 小林 謙一
 列島最古段階の土器の年代は決まったのか? 工藤 雄一郎

「縄文はいつから!?」(小林謙一/工藤雄一郎/国立歴史民俗博物館編、新泉社)

2 弓矢のはじまり -石器からみた旧石器時代の終焉と縄文時代のはじまり-
・石鏃は縄文時代草創期に出現し弓矢の出現に間違いなく、縄文時代を代表する石器である。
・弓矢は投げ槍と比べると飛距離があるとともに持ち運びが簡単で優れた狩猟具・武器である。

縄文時代~古代の丸木弓 「縄文はいつから!?」(小林謙一/工藤雄一郎/国立歴史民俗博物館編、新泉社)から引用

・シベリヤの植刃器をみると旧石器時代(2万年前~1万5000年前)には基本的に長い槍で、手持ち槍が投げ槍と考えられるが、1万2000年前には小型のものが出現し、時代が短くなるにつれて短くなり、手持ち槍から投げ槍へと変化している。

シベリヤの植刃器 「縄文はいつから!?」(小林謙一/工藤雄一郎/国立歴史民俗博物館編、新泉社)から引用

・弓矢とつながる道具として有舌尖頭器があり重量も軽くなるのが特徴で、石鏃が出現すると直ぐに消えるので機能的には投げ槍であったと推定される。
・旧石器時代末から新石器時代の主要な狩猟具は、突槍(手持ち槍)から投槍そして弓矢へと発展したと考えられる。
・気温の温暖化とともに草原から森林に変化し、それに従い狩猟対象獣も草原種から森林種に変化した。狩猟対象獣が移動性の高い群棲型獣から行動範囲の狭い単独型獣へ変化し、個体の小型化・分散化といえる。

シベリアの狩猟対象獣 「縄文はいつから!?」(小林謙一/工藤雄一郎/国立歴史民俗博物館編、新泉社)から引用 

・日本列島では後期旧石器時代の終わりにはイノシシやシカなどがすでに出現していて弓矢猟というのは、これら森林性の中型獣を捕獲するための道具として発達したと考えられる。矢の先端の石鏃の発達には日本各地にあるガラス質石材が大きく寄与したと思われる。

3 感想
弓矢出現の歴史がとても簡潔にわかりました。同時にそれが縄文時代を代表する狩猟具であることもよくわかりました。


0 件のコメント:

コメントを投稿