「縄文はいつから!?」(小林謙一/工藤雄一郎/国立歴史民俗博物館編、新泉社) 3
「縄文はいつから!?」(小林謙一/工藤雄一郎/国立歴史民俗博物館編、新泉社)に収録されている「定住化のはじまり 小林謙一」を学習して、気が付いたことや要点の抜き書きなど、メモを作成します。
1 台地の住居
旧石器時代のテント状の住居跡が少数ですが見つかっています。
旧石器時代のテント状住居跡の例 「縄文はいつから!?」(小林謙一/工藤雄一郎/国立歴史民俗博物館編、新泉社)から引用
その後縄文時代草創期になるとだんだん竪穴がみえるようになり、あたらしくなるほど竪穴は深くはっきりした掘り込みをもつようになります。
縄文時代草創期住居跡の変遷 「縄文はいつから!?」(小林謙一/工藤雄一郎/国立歴史民俗博物館編、新泉社)から引用
草創期の住居跡の復元例として、ピットがあって、真ん中に向けて斜めに掘り込まれるような形で円周状に回っているので、真ん中に向けて柱を埋め立て、上屋を立てていた考えられています。
復元模型 「縄文はいつから!?」(小林謙一/工藤雄一郎/国立歴史民俗博物館編、新泉社)から引用
2 住居の年代
日本列島で一番古い土器は16000年前に届くか届かないという段階で、住居跡はそのあとの隆線文土器の時代になかり出てきます。同時に弓矢や土偶なども14000年前ごろの温暖期とした段階には出てくるのではないかと考えています。
14500年前ぐらいには、住居跡はかなり定式化します。14500年前というのは土器が日本列島各地に広がる段階です。
縄文時代草創期頃の較正曲線(IntCal04)と文化要素の出現時期 「縄文はいつから!?」(小林謙一/工藤雄一郎/国立歴史民俗博物館編、新泉社)から引用
土器の広がり 14500年前~11500年前 「縄文はいつから!?」(小林謙一/工藤雄一郎/国立歴史民俗博物館編、新泉社)から引用
3 感想
竪穴住居のはじまりについてこれほど詳しく調べられていることを始めて知り、驚きました。また30ページほどのペーパーの中に膨大な情報が含まれていることにも圧倒されます。多くの知識を吸収することができました。このペーパーだけでも時間をかけて学習しブログ記事10編くらいを書きたくなるほどの魅力があります。
参考までに「土器の広がり」図に掲載されている千葉県遺跡をみると次のようになります。
千葉県の遺跡
これらの遺跡は全て「千葉県の歴史 資料編 考古1(旧石器・縄文時代)」(千葉県発行)に掲載されています。因みにそのすべてを読んでみました。残念ながら住居に関する記述はありませんでしたが隆線文土器や石器に関する記述は参考になりました。
微隆起線文土器と尖頭器(東金市 大谷台遺跡) 「千葉県の歴史 資料編 考古1(旧石器・縄文時代)」から引用
微隆起線文土器(東金市 大谷台遺跡) 「千葉県の歴史 資料編 考古1(旧石器・縄文時代)」から引用
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