山田康弘著「縄文時代の歴史」(2019、講談社現代新書)学習 43
山田康弘著「縄文時代の歴史」(2019、講談社現代新書)を通読したので、ふりかえり、自分が興味を持ったコンテンツベスト10を抽出してみました。
1 山田康弘著「縄文時代の歴史」(2019、講談社現代新書)のコンテンツ
山田康弘著「縄文時代の歴史」(2019、講談社現代新書)では目次別に小見出し毎に完結する記述が行われています。その小見出しがコンテンツの最小単位になっています。コンテンツの数は次に示す通り合計で152となります。
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山田康弘著「縄文時代の歴史」(2019、講談社現代新書)の目次別小見出し数
はじめに…10
プロローグ 縄文時代前夜
1 ヒトはいつ「日本」にきたのか…2
2 縄文文化の母胎…2
第一章 縄文時代・文化の枠組み
1 縄文時代の時間的範囲…3
2 縄文時代・文化の空間的範囲…6
3 縄文時代・文化という概念…2
4 縄文時代の主人公の姿…2
第二章 土器使用のはじまり 草創期(Ⅰ期)
1 土器の発明がもたらしたもの…12
2 草創期における各様相…5
3 わかりはじめた植物利用のあり方…3
4 複雑な精神文化の芽生え…3
第三章 本格的な定住生活の確立 早期(Ⅱ期)
1 定住とはなにか…6
2 定型的な居住様式の確立と貝塚の形成…6
3 多様な動植物の利用…4
4 墓制・祭祀・装身具等の発達にみる精神文化…8
第四章 人口の増加と社会の安定化・社会複雑化の進展 前期・中期(Ⅲ期)
1 温暖化のピークから低温化安定へと向かった気候変化…2
2 低地遺跡にみる卓越した植物利用技術…6
3 環状集落の成立と大型貝塚の発達…3
4 広域交換・交易の発達…3
5 さまざまな墓制の展開…9
6 精神文化の高揚…5
第五章 精神文化の発達と社会の複雑化 後期・晩期(Ⅳ期)
1 縄文社会の変質…3
2 後晩期の集落景観…4
3 モノの流通とネットワーク…8
4 多様な祭祀の展開と精巧な祭祀・呪術具の発達…8
5 墓制と祖霊祭祀の発達…8
6 階層社会へのきざし…7
7 縄文時代・文化の終焉…2
エピローグ 縄文時代・文化の本質
1 もう一つの縄文文化…2
2 「縄文」の終焉と「弥生」の開始…7
おわりに…1
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2 自分が興味を持ったコンテンツベスト10 【 】が小見出し
1位 第4章 5様々な墓制の展開 中期の社会構造を探る 【子どもへの投資】・・・階層化
2位 第5章 5墓制と祖霊祭祀の発達 【「記念墓」構築の契機】・・・ 異集団の統合の仕方・・・支配の仕方
3位 プロローグ 2縄文文化の母胎 【神子柴・長者久保文化】・・・旧石器と縄文の間
4位 第2章 2草創期における各様相 【フェイズ1の概観】 前田耕地遺跡など
5位 第3章 2定型的な居住様式の確立と貝塚の形成 【早期における大型住居の登場】・・・上野原遺跡
6位 第4章 2低地遺跡にみる卓越した植物利用技術 【縄文文化の研究の画期となった鳥浜貝塚の調査】・・・鳥浜貝塚
7位 第3章 4墓制・祭祀・装身具等の発達にみる精神文化 【動物祭祀の発達】
8位 第5章 3モノの流通ネットワーク 【オオツタノハにみるネットワークの広がり】
9位 第2章 1土器の発明がもたらしたもの 【土器は女性がつくったのか?】
10位 エピローグ 縄文時代・文化の本質 2「縄文」の終焉と「弥生」の開始 【灌漑水田稲作が遅れて導入された地域】
興味コンテンツベスト10がある目次「節」3 興味を持った理由
上記ベスト10をピックアップした自分の言い訳を整理すると次のようになります。
●興味を持った理由の区分
a これまでしらなかった遺跡・遺構・遺物の知識を知り、興味を持つ
b これまで興味を持ったことがない分野や領域の知識を知り新たに興味を持つ
c これまで知らなかった調査方法や分析方法を知り興味を持つ
d 知っていた知識の最新情報や最新分析・解釈を知り興味を持つ
e これまでに抱いてきた問題意識に関連する情報であるため興味を持つ
f 疑問を抱いていた事柄に関する情報であり興味を持つ
●ベスト10の興味を持った理由
1位 【子どもへの投資】…bc 階層化
2位 【「記念墓」構築の契機】…bc 異集団の統合
3位 【神子柴・長者久保文化】…de 旧石器と縄文の間
4位 【フェイズ1の概観】…a 前田耕地遺跡
5位 【早期における大型住居の登場】…a 上野原遺跡
6位 【縄文文化の研究の画期となった鳥浜貝塚の調査】…abc 鳥浜貝塚
7位 【動物祭祀の発達】…de
8位 【オオツタノハにみるネットワークの広がり】…d
9位 【土器は女性がつくったのか?】…f
10位 【灌漑水田稲作が遅れて導入された地域】…de
4 感想
・縄文学習入門者の自分にとって山田康弘著「縄文時代の歴史」(2019、講談社現代新書)は必要な最新知識を体系的、かつコンパクトにまとめた大変優良な図書であることが通読してわかりました。まずは著者に感謝です。
・興味をもったコンテンツベスト10は、いわば自分の心理分析であるとわかりました。著者が考えるコンテンツの重要性などとは全く無関係です。学習入門初期の自分が面白かったものベスト10という心理分析です。
・ベスト10の上位はこれまで知らなかった知識・情報が占めています。自分が最新知識をほとんど知らなかったという状況、あるいは最新知識を知りたいという心理状況が表現されています。
・ベスト10を考えるプロセスのなかで、つまりこの図書の目次や本文を見回す中で、次のような余分な感想が生まれました。
ア 全体の情報として後期晩期の情報が充実しています。遺跡として残りやすいことが関係しているように感じます。逆にいうと草創期から中期までの縄文社会は未知の部分がとても多いということです。
イ 「中期に外来土偶祭祀が伝来して、それによって社会が激変するプロセスを歩んだ」と素人考えしていますが、この図書では前期と中期が一緒に扱われ、そのような祭祀面における激変プロセスが認識されていないように感じます。
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