2020年5月20日水曜日

イヌの利用

山田康弘著「縄文時代の歴史」(2019、講談社現代新書)学習23

「第三章 本格的な定住生活の確立 早期(Ⅱ期)」の「3 多様な動植物の利用」の小見出し「イヌの利用にみる動物管理の開始」を学習します。

1 イヌの利用にみる動物管理の開始
「年代的にも確実な日本最古のイヌの事例として認められているのが、神奈川県夏島貝塚と上黒岩岩陰遺跡、佐賀県東名遺跡の各遺跡から出土した縄文時代早期の事例である。特にイヌの埋葬例もこの時期までさかのぼることから、すでにイヌがヒトと社会的な関係を取り結んでいたことがわかる。おそらくは、主に猟犬として利用されていたのだろう。」
「イヌが誕生したのはユーラシア大陸のどこかと考えられているが、最古の事例の年代から見て、日本にはすでに馴化が進んだイヌが持ち込まれたと考えられている。縄文においてはその当初から、イヌはヒトのよきコンパニオンアニマルであったのだろう。」
山田康弘著「縄文時代の歴史」(2019、講談社現代新書)から引用

2 感想
縄文人の犬に対する親愛の感情は強いものがあったと常日頃から感じています。以前千葉市大膳野南貝塚の学習を体系的に行ったときに、竪穴住居跡による廃屋墓が多数存在していることを知りました。しかし、ある堀之内1式期の竪穴住居跡は犬用廃屋墓として利用されていることを知り、犬が人と同格に扱われている状況を感じました。

2号犬骨(幼犬)
大膳野南貝塚発掘調査報告書から引用

J9竪穴住居 人骨と犬骨の土層断面模式位置
2号犬骨は竪穴住居床面で貝層直下から出土しています。貝層からはなんと周産期人骨が出土していて、犬用廃屋墓に人の赤ん坊も後に一緒に埋葬されたことになります。
ブログ「花見川流域を歩く」2017.12.18記事「犬用廃屋墓」参照

3 参考

縄文犬 飛丸くん 3Dモデル動画
船橋市飛ノ台史跡公園博物館常設展展示模型 縄文犬「僕の名前 飛丸」
船橋市藤原観音堂貝塚出土犬骨に基づく復元模型
3Dモデルはhttps://skfb.ly/6JQZw

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