2020年5月3日日曜日

定住とはなにか

山田康弘著「縄文時代の歴史」(2019、講談社現代新書)学習17

「第三章 本格的な定住生活の確立 早期(Ⅱ期)」の「1 定住とはなにか」を学習します。

1 縄文人の居住形態 概要と感想
狩猟採集民における移動生活から通年的定住生活までの居住形態(佐々木高明)
ア フォレジャー型
移動生活
食糧資源が季節や場所によって極端に偏在しない場合
旧石器時代、草創期フェイズ1
イ コレクター型
ベースキャンプ、兵站部隊各地派遣、専用貯蔵施設
縄文時代の大部分
ウ 定住村落型
通年そこで生活
縄文後期以降、東日本中期事例の一部

→フォレジャー型、コレクター型、定住村落型という区分に対応する遺跡分布様式、遺構の様子、出土物の様子を模式的に知りたいと思います。
逆に遺跡分布様式、遺構の様子、出土物の様子からフォレジャー型、コレクター型、定住村落型という区分を推察できるようになりたいと思います。

2 多角的な生業形態 概要と感想
多用された食料…メジャーフード
イノシシやシカ、トチやドングリ類が多い
クリ、クルミなどの管理
動物管理(犬、イノシシの飼育)
コラーゲン分析により摂取食料に地域差

各地に出土人骨の同位体比から想定される食性
山田康弘著「縄文時代の歴史」(2019、講談社現代新書)から引用
集落周囲の細かな環境の違いによる生業形態の差異と連動
そして生業形態の差異は、労働分業体制のあり方の違いなど、集落内における集団のあり方を通して、最終的には社会構造のあり方や精神文化のレベルにまで影響を及ぼしたことが近年の研究成果によってわかっている。
集落周辺の自然環境-生業形態-社会構造-精神文化

→生業形態の違いが社会構造・精神文化の違いに対応するのですから、生業形態の違いが遺跡分布様式、遺構の様子、出土物の様子等の違いとして認識できるということです。生業形態の違いと遺跡分布様式、遺構の様子、出土物の様子等の違いを模式的に知りたいです。
例えば、同時代の山中にある集落と海辺にある集落ではその違いをどのように模式化できるのか?

3 定住生活はなぜ始まったのか? 概要
気候が温暖化し環境が変化していく中で、多くの食料が発見・開発されたことが定住開始の大きな理由の一つだろう。
一時的に入手できる食料の保存や加熱処理や燻蒸などの加工場所の必要性なども定住の理由。

4 定住の進展、人口の増加(人口密度の上昇)と社会の複雑化 概要と感想
定住生活継続のためには移動生活のメリットを集団・集落の移動・分離・分散以外の方法で解決する必要がある。
廃棄場所を決めるなど集落内部空間の計画的利用
集落から遠くない範囲における十分な食料の確保
「集落の掟」「法律」
葬送や魔除け、呪術
諸問題に対応できる社会システム…「社会複雑化」

→「社会複雑化」の様子を縄文時代を通して模式的に把握したいと思います。

5 土器に見る地域性の出現
本格的定住生活による土器の地域差出現

縄文早期における各地の道具立て
山田康弘著「縄文時代の歴史」(2019、講談社現代新書)から引用

→土器に見る地域性の出現の主要な要因は何か?生業の違い(食い物の違い)に起因する社会構造や精神文化の違いとみてよいか?

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